どうも、ドミナゴです。
幼稚園~高校生までよく通っていた、ゲームセンターについての思い出を紹介していますが、今回は「タダでゲームをする方法」についてです。
※本文の内容は、現在ではまったく通用しませんので、お試しになりませんように
タダでゲームができる?
私が小学校に通っていたある日のこと、仲の良い友達が僕に駆け寄ってきて、興奮気味にこう言いました。
「タダでゲームをする方法があるらしいぞ!」と。
僕は、そんなことあるわけないやん、どうせ嘘だろ、という感じで、
「へえ、どうやんの?」
と素っ気なく返答しました。
すると、友達は、
「ライターを使うと、お金が入ったみたいになるらしいよ」
と、何を言っているかよくわからない回答をしました。
僕が、はぁ?という顔をしていると、続けて、
「ライターを壊して、火を付ける部分を取り出して、お金入れるところでカチッとすると、お金が入ったのと同じ様になるんだって。」
と、より具体的な説明をしてきました。
いつもの友人の嘘にしては、妙に具体的なので、
「だれか試したの?」
と聞いてみました。
友人は、
「○○が試したらうまくいったらしいよ」
と、ちょい不良気味のクラスメートの名前を挙げました。
あぁ、あいつならやりかねないな、と僕は納得し、本人に直接聞いてみることにしました。
おばあちゃんの目
「できたよ、簡単に」
○○は勝ち誇ったように僕に言いました。
「じゃあ、僕に見せてくれる」
と言うと、
「いいよ、今日放課後に見せてやるよ」
といいながら、なにやら怪しげな部品を僕に見せてきました。
それは、友人の説明通り、百円ライターの着火する部分を取り出したものでした。
〇〇がスイッチのようなものを押すと、バチッと火花が見えました。
「じゃ、放課後な」
と〇〇はそう言って僕の前から去っていきました。
放課後、僕たちは行きつけの駄菓子屋に向かいました。
そこには、僕がいつも遊んでいる「ルナレスキュー」がありました。
〇〇はお店の中にいるおばあちゃんを確認した後、
「よし、今なら大丈夫だ」
と例の機械をコイン投入口に近づけ
「カチッ」
とボタンを押しました。
すると、ゲーム画面に表示されているクレジットが「1」に変わり、たしかにお金を入れた状態と同じことが起きたのです。
「ほらな、これでゲームができるんだ。」
と○○は、そのままゲームをはじめました。
僕はスゴイなと思いつつ、ふとお店の中を見ると、駄菓子屋のおばあちゃんと目が合いました。
おばあちゃんは、何も言いませんでしたが、僕にはちょっと悲しそうに見えました。
このようなことを子供がやっているのを、おばあちゃんはすでに知っていたのかもしれません。
僕は、なんだかいたたまれなくなり、○○に別れを告げ、いそいで家に帰りました。
消えない罪悪感
しばらくして、学校の全校集会で、この話が話題となりました。
「今、あるものを使ってゲームをタダでやっているといううわさがあります。このようなことをするとけいさつにつかまって、ろうやに行くことになります。ぜったいにやってはいけませんよ。」
と女の先生がみんなの前で脅し気味に言いました。
僕は、その先生の話よりも、おばあちゃんの顔が忘れられず、ライターの部品を使うことはありませんでした。
○○は相変わらず使用していたようですが、しばらくして
「できなくなった」
と話しているのを聞きました。
ゲーム会社の方も、状況を把握し対応を行ったのです。
今思うと、僕が○○と駄菓子屋で行った行為は、生まれて初めての犯罪だったのかもしれません。
罪悪感という言葉を、その当時知りませんでしたが、○○がタダでゲームを始め、おばあちゃんと目が合った瞬間、心に黒いものが充満していくのを、今でも鮮明に覚えています。
ゲーセンの思い出については、これからもみなさんにご紹介できればと思います。
他の思い出については、以下も読んでいただけたら幸いです。
それでは、また。